見近島のキャンプ場を出てから5分ほどで、次の島、伯方島(はかたじま)に到着。あの「伯方の塩」で有名な島だ。伯方・大島大橋は大島側に料金所があるので、見近島と伯方島は無料で行き来出来る。大島ほどではないが伯方島もそこそこの人口がある島で、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどもある。さらに先の島には温泉もあるので、キャンプ場に長期滞在する人も多い。
原付専用道から伯方島に上陸するとすぐ左手に「道の駅・マリンオアシスはかた」がある。ドライバーやライダーにとって便利な休憩スポットである道の駅だが、ここ、しまなみ海道では、サイクリストにとっても重要な施設となっている。ロードバイク(自転車)用のスタンドは当然のようにあり、レンタルサイクルや空気入れの貸し出しなどサイクリストの設備も充実している。
伯方島に上陸して、東に15分ほど走ったところにある、「伯方の塩」を使った名物の塩ラーメンの店、
「伯方の塩ラーメン 三和」
で昼食を頂く。店名に「伯方の塩」と入り、「伯方の塩」の伯方塩業にロゴマークの使用許可をもらっているほど地元では有名な店だ。
雨の少ない瀬戸内海・伯方島では、江戸時代から塩田による塩作りが行われてきたのだが、1971年に国の専売公社が塩の生産、流通を管理するようになって、昔ながらの塩田は全国で廃止されていった。しかし、塩田の塩の技術を残したいという声が地元から起こり、一定の制約の下で生産できるようになった。そうして誕生したのが「伯方の塩」だそうだ。ほどよくにがりを残した「伯方の塩」を使った絶品の塩ラーメン。地元の人やサイクリスト、ライダーでいっぱいだった。
島内には道の駅が2ヵ所あり、観光スポットもいろいろある。海を見ながら海岸線沿いの道を走っていると、ある事に気が付いた。
メインの道路の、道路脇の白線の内側にブルーのラインが引いてある。なるほど、そういうことだったのか。このブルーのラインは、サイクリスト用のガイドラインになっていたのだ。道に迷っても、このブルーのラインに沿って走っていれば、必ずしまなみ海道の橋の入り口にたどり着けるようになっていた。それに気づいてからはもう、自転車専用道の入り口を探して迷うことはなくなった。
大三島をぐるっと回って、「道の駅 多々羅しまなみ公園」で休憩。ここもサイクリストでいっぱいだ。
ここで、今治名物のB級グルメ「焼豚玉子飯」とタコの唐揚げを頂く。焼豚丼の上に温泉卵がのっているシンプルな丼だが、特製のタレとマッチしていておいしい。タコの唐揚げもスパイシーな味付けだ。
さて、これからどうしようか。今いる大三島は愛媛県今治市。次の島、生口島は広島県尾道市になる。ちょうど、しまなみ海道を中間まで渡ったことになる。空を見ると、朝より雲が多くなっている。天気予報を見ると、広島は夕方から夜にかけて雨が降るみたいだ。大阪へ戻るフェリーは明日の夜10時の出航。まだ時間はある。無理をせずに今日はキャンプ場に戻って、明日、広島に行こう。自由に予定を変更できるのがソロツーリングのいいところだ。