WPCって知ってます?

WPCって知ってます?
2008-03-24 09:37:01
浦安店:小泉 陽也
今回、はじめてブログを作成させていただきます、浦安店の小泉です。私が今回ご紹介させていただく商品(サービス)は、WPC(Wonder Process Craft)の紹介です。4輪のレース業界では認知度の高いチューニングなのです。最近では4miniレース業界、トップクラスのチームも採用しているようです。

WPC処理は、金属表面処理の一種で金属の疲労強度向上と摺動性向上を主目的に処理されます。

では「疲労強度向上」とはいったい何のことでしょうか?金属は繰り返し力がかかるとだんだん強度が落ちてきます。例えば、材料の最初の強度が100とした場合、100より大きな力がかかると壊れます。逆に100以下の力であれば壊れません。しかし、50や60という強度的には壊れるはずがない力でも、それが何万回、何億回と繰り返しかかることにより壊れてしまうことがあります。これが金属疲労です。また、バネがヘタる(弱くなる)のも金属疲労が原因です。

ここがポイント! WPC処理は金属の強度を上げるのではなく、この金属疲労に対して非常に強くなります。ですから、ある力が加わると1回で壊れてしまう部品に処理をしても、壊れなくなる可能性は少ないと言えます。これは、材料の強度が足りないからです。逆にしばらくは持つけど何回かすると壊れてしまう部品に処理すれば寿命が延びたり壊れなくなる可能性は大きいと言えます。

「摺動性向上」とは、滑りを良くして、摩耗を減らすということです。摺動抵抗の低減により車のパワーは僅かに上がります。それよりも、摩擦熱の減少、焼き付き防止による耐久性の向上、レスポンスの向上が期待できます。


処理前
処理後
今回はお客様の山田様のご協力によりマジェスティー250 マロッシ製ボアアップキット、ハイカム、ハイギアキットの処理前、処理後の写真をアップさせていただきます。上の写真を比較してください。と言ってもピストンが黒いねぇ.....程度しか分からないと思いますので、各パーツごとの比較写真をアップしますのでじっくり見てやってください。
まずはカムシャフトです。
カムシャフトは、表面があまりにも硬くてもろい(組織がチル化している)ため、通常のWPC処理ではいい処理面ができません。摺動性を向上させるためカムシャフトへの標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。

処理前のカムシャフト 多少の処理はされているものの、指で擦ると抵抗を感じました。
処理後のカムシャフト 処理前と比較して指で擦ってもトゥルンッ!って抵抗を感じませんでした。
続いてハイギアキットです。処理前の方が暗く感じますが、処理前と処理後の撮影状況は同じです。
ミッションに処理する事によりピッチング(虫食い)や歯飛びやスプライン、セレーションの潰れをを抑えることができます。また、ギア鳴りが小さくなり、ギアの入りが良くなります。また、ハブ、スリーブやシンクロナイザーリングに処理することによりギアの入りが良くなります。入りが良ければ当然、摩耗も減りますね。

処理前 ギア同士をあてがって回転させると小さな「カチカチ」という鉄独特の音が出ました。
処理後 ギア同士をあてがい回転させると、なんと「カチカチ」という音が聞こえませんでした。しかも鉄の感覚よりもプラスチック製品同士を回している感覚です。
続いて黒くなったピストンです。今回はピストンリング(トップリングのみ)、ピストンピンもWPC処理していただきました。
摺動性を向上させます。ピストンスカート部の傷がほとんど付かない、スカート部の変形が殆どない、立ち上がりが良くなった、ブローバイが減った等の事例があるそうです。また、ピストンヘッドへのカーボンの付着が少なくなるとの実績もあります。
ピストンへの標準処理として二硫化モリブデンショットを採用しています。
強化が必要な場合は別途ご相談下さい。

最後にシリンダーです。もともとレーシングパーツの為、クリアランスが大きめに取られていました。万が一ピストンの首振りが出てしまった場合、WPC処理した場合と未処理の場合の耐久性を考えWPC処理に踏み切りました。同時にピストン、ピストンリングとの摺動性を向上させます。
油温、水温が安定してオーバーヒートを防ぎ、フリクションが低減し、レスポンスの向上が期待できます。また、ストレートでのトップスピードが伸びた、タイムアップにつながったとの実例もあったそうです。
ニカシルメッキのシリンダーは通常のWPC処理をします。鋳鉄ライナーのシリンダーブロックは二硫化モリブデンショットを行います。ちなみにマロッシはニカシルメッキシリンダーでした。

処理前 ホーニング跡がはっきりとわかりますね?
処理後 ホーニング後は見えにくくなり、指で擦るとカムシャフト同様「トゥルンッ」
おまとめ.....
疲労強度向上・・・部品全体の強度を高め、耐久性を上げる
摺動性向上・・・・・フリクションロスを大幅に軽減し、レスポンスアップ、焼きつき防止させる
大幅なパワーアップは望めません。しかし、これからエンジンオーバーホール、チューニング、パワーアップを考えている方にはぜひおススメです。絶対に損はしませんよ!

因みに気になる費用は....
ピストン \7,500〜11,000/1個
ピストンピン \1,900〜
ピストンリング \1,000〜/1本
カムシャフト \3,500〜4,500
ギア \3,500〜5,500/1個(5〜6速ギアセット価格もあります)
※上記価格に工賃は含まれて下りません。

詳しいお見積もりはレーシングワールド浦安、小泉までお問い合わせください。

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